参考にしている、NUSの学科ウェブサイトはこちら
今回の記事ではNUSの理学部(Faculty of Science, FoS)にある学科の一つ、食品化学学科(Food Science and Tech, FST)を紹介していきます。
理学部(Faculty of Science, FoS)について詳しく知りたい方は、理学部全般について書いた別の記事をご覧ください。
シンガポールでは2020年ごろからプラントベース食品が続々と発表され、次世代のたんぱく質の分野は大盛況でした。
2020年6月には、モスバーガーが植物由来のパティを使用した新しいバーガーを販売しました。 その名も Impossible Burger です。
また、2021年1月には、シンガポール最大のショッピングモールであるビボシティ(VivoCity)は、コンセプトショップとカフェ「グリーンコモン」をオープンしました。
このことから分かるように、シンガポールでは代替肉をはじめとした次世代の栄養が大変ホットな話題になっています。
得られる知識・スキルセット
食品化学とは、食品の分析や検査を通して、食品成分の持つ効能や生体に及ぼす影響を学ぶ学問です。
また社会の食品供給を持続可能なものにするために、食糧安全保障から食の倫理まで食に関する話題を幅広く勉強します。そのために化学や生物、統計や工学的な知識を応用して、現在ある食品が本当に持続可能な栄養源であるかを吟味し、次世代の食料供給の形を模索していきます。
カリキュラム
FST学科では、4年間かけてBachelor of Science (理学士号) を取得します。
2021年度から新たな共通課程( Common Curriculum )ができたことにより、一年目はそちらを進めながら、FST学科の基礎的な単位を履修していきます。
二年目以降ラボが増えます。
FST学科で履修する単位をいくつか学年ごとにまとめてみました。
一年目 | |
Science and Technology of Foods | 食に関する化学と技術(基礎) |
二年目 | |
Fundamentals of Food Engineering | 食品工学基礎 |
Introduction to Human Nutrition | 栄養学 |
Food Microbiology and Fermentation | 食品微生物学と発酵 |
三年目 | |
Sensory and Consumer Science | 消費者科学 |
Food Safety and Regulation | 食品の安全性 |
Food Quality Assurance and Control | 食品の品質保証と管理 |
四年目 | |
Food Colloids and Components Science | 食品コロイドおよび成分科学 |
Food Product Innovation | 食品イノベーション |
Food Innovation Project
またFST学科は2021年度から新しく、よりFSTについて深く学びたい学生に向けた、Specialisation in Food Science and Technology Research というプログラムを設立しました。
こちらは20MC 分の単位を履修することで、成績証明書に付け加えることができます。この点ではMinorと似ていますね。
20 MCの内訳として、12MC分のプロジェクトと、8MC分の単位を、提供されているものから2つ選び履修します。下の表でいくつか紹介します。
Food Forensics | 食に関する法科学 |
Advanced Food Processing Technologies | 食品加工技術 |
Rheology and Textural Properties of Biomaterials | レオロジーと生体材料の組織特性 |
Advanced Food Microbiological Analysis | 食に関する微生物学 |
Scientific Principles of Nutraceuticals | 栄養補助食品の科学的原理 |
Science in Clinical Nutrition | 臨床栄養学 |
授業スタイル
新型コロナウィルスの影響により、今のところ講義は全てオンラインなのですが、ひと学年あたりの人数が研究施設に比べて少ない(2つのラボ=実験室に対してひと学年40人)おかげで、実験を伴う授業に関しては昨年から対面でできているようです。
卒業生の進路
卒業生の人気の進路先としては品質管理、生産管理、食品検査、商品開発の他、研究職に就く方もいます。
大学内での学部生のイメージ
今回の記事ではNUSの食品化学学科(Food Science and Tech, FST)を紹介してきました。
新型コロナウイルスの影響もあって食糧安全保障への関心が高まったことでプラントベース食品業界が成長している中、この先ホットな学科になるかもしれませんね。
まとめ
今回の記事ではNUSの食品化学学科(Food Science and Tech, FST)を紹介してきました。
新型コロナウイルスの影響もあって食糧安全保障への関心が高まったことでプラントベース食品業界が成長している中、この先ホットな学科になるかもしれませんね。
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