人文社会学部

学部紹介

今回の記事ではNUSの人文社会学部 (Faculty of Social Sciences, FASS) を紹介していきます。

NUSの人文社会学部はQS World University Rankings 2021において世界9位と評価が高く、20にも渡る専攻の豊富さと200以上の提携大学というネットワークの広さが魅力で毎年とても人気の高い学部となっています。

NUSは2021年度から学部編成を行い、それまでの人文社会学部と理学部は統一されCollege of Humanities and Sciences となりました。

これにより新しく13個の単位からなる共通課程(Common Curriculum)ができたほか、お互いの学部の施設利用などもより自由になりました。

ただ、人文社会学系の専攻を履修すれば Bachelor of Arts (文学士号) / Bachelor of Social Sciences (社会学士号)を、理学系の専攻を履修すれば Bachelor of Science (理学士号)を取得する点においては変更はありません。

この記事では人文社会系の進路について紹介していきます。

共通課程(Common Curriculum)

参考:https://chs.nus.edu.sg/programmes/#prog-overview

人文社会学部と理学部が統一されたCollege of Humanities and Sciences ではCommon Curriculumと呼ばれる、学部・専攻によらず履修が必須な単位が13個あります。

それらを下の表にまとめました。

Artificial Intelligence人工知能
Communities and Engagement社会貢献
Digital Literacyデジタルリテラシー(主にコーディング)
Design Thinkingデザイン思考
Data Literacyデータに関する教養
Writingレポートの書き方、など
Asian Studies Integrated Moduleアジア研究基礎
Humanities Integrated Module文学基礎
Social Sciences Integrated Module社会学基礎
Scientific Inquiry I理学基礎 I
Scientific Inquiry II理学基礎 II
Interdisciplinary Module I教養単位 I*
Interdisciplinary Module II教養単位 II*
*執筆時点(2021年10月始め)ではサイト上に詳しい情報ナシ。

人文社会学系と理学系どっちの要素も含んでいることがよく分かります。

これらの単位を一年目から二年目にかけて、自分の専攻と平行して履修していきます。

専攻

参考:https://fass.nus.edu.sg/wp-content/uploads/2021/07/Modular-System-2021-Cohort_final.pdf

https://fass.nus.edu.sg/majors-minors/

FASSでは、4年間かけてBachelor of Arts (文学士号)かBachelor of Social Sciences (社会学士号)どちらかを取得することができます。Asian Studies & Humanities 系の専攻を履修すれば前者を、Social Sciences 系の専攻を履修すれば後者を取得します。

[Asian Studies & Humanities系 (文学士号)]

Chinese Language中国語の文法、成り立ち。
Chinese Studies中国文学、歴史、哲学。
English Language and Linguistics英文法、言語学。
English Literature英文学
Global Studies現代社会、国際化社会
History史学
Japanese Studies日本文学、歴史、文化
Malay Studiesマレー文学、歴史、文化
Philosophy哲学
South Asian Studies南アジア文学、歴史、文化
Southeast Asian Studies東南アジア文学、歴史、文化
Theatre and Performance Studies演劇学

[Social Studies系 (社会学士号)]

Communications and New Mediaメディア研究
Economics経済
Geography地理
Political Science政治学
Psychology心理学
Social Work公共事業
Sociology社会学

Second Major / Minor

自分の専攻以外に興味のある分野があれば、その学科・専攻が提供しているSecond MajorやMinorを履修することができます。

これらは普通に専攻するよりも凝縮されたパッケージになっていて、基本の専攻は60MCであるのに対し、Second Majorは40MC、Minorは20MCとなります。

また基礎単位を既に履修していればもう一度履修する必要はなく、例えば40MCのうち4MC分を既にとっていれば、40 – 4 = 36MCでSecond Majorがとれる、ということになります。

だからそれを狙ってより負担の少ない(=基本の専攻と被る所が多い)Second Major / Minorをとる人もいます。ただ、あまりに内容が似ていると大学側が履修を禁止している場合もあります。これはFASS以外の例となってしましますが、例えば経営学部でBusiness Analyticsを専攻している人はData AnalyticsのSecond Majorを履修するはできません。

もちろん、全く違う分野のSecond Major / Minorをとる人もいる人もいます。その場合は基礎単位から履修しないといけないのでSecond Majorなら40MC、Minorなら20MCとフルの負担になります。

FASS内ではどの専攻もSecond Majorが用意されています。また、FASS以外の学部からSecond Majorを選ぶこともできます。

Second Major や Minor を完了すれば、卒業する時にTranscriptに記録として残ります。就職するときのアピールポイントにもなるでしょう。

Double Degree Programme

参考:https://fass.nus.edu.sg/special-degree-programmes/#:~:text=For%20students%20who%20would%20like,to%20graduate%20with%20Double%20Honours

Second Major とは違い、DDPでは二つの学士号を取得します。履修する単位は自然と多くなり、卒業は一般的に5年とされています。

Second Major とは違い、DDPでは二つの学士号を取得します。履修する単位は自然と多くなり、卒業は一般的に5年とされています。

FASSでのDDPは次の通りです。

Communications & New Media and Business Administration / Accountancyメディア研究 + 経営学
Economics and Engineering経済学 + 工学
Economics and Business経済学 + 経営学
Economics and Law経済学 + 法学
Economics and Business Analytics経済学 + ビジネス分析
Economics and Information Systems経済学 + 情報システム
Student-Designed DDP自由選択* 

*学部から許可をもらう必要あり。

また、早稲田大学など海外の提携大学とのDDPもいくつかあります。

詳しくはこちらのサイトに記載されています。

Concurrent Degree Programme

参考:https://fass.nus.edu.sg/psy/concurrent-degree-programme/


CDP は、学士号と修士号を同時に取得できるプログラムとなっています。FoSでは二つの道が用意されています。

Bachelor of Arts with Honours / Bachelor of Social Sciences with Honours and Master in Public Policy文学士号または社会学士号+公共政策系の修士号
Bachelor of Arts with Honours and Master of Social Sciences (Psychology by Research文学士号+心理学系の修士号

ただしこれらはNUSに出願するときではなく、NUSに入学したのち、いくつかの必須科目を履修した後に出願することになっています。

またDDPと同様に海外の提携大学とのCDPもいくつかあるのでこちらのリンクから見てみてください。

FASS Internship Programme

参考:https://fass.nus.edu.sg/career-preparation/internship/fass-internship/

コンピューター科学部や、工学部とは違い、FASSではインターンシップは必須ではありませんが、インターンシップをすると期間によっては授業単位として数えることができます。

もし興味があれば、NUS Talent Connect というNUSの学生専用の職探しポータルを使って学生自身がインターンシップを見つける必要があります。

FASS 2.0 Industry Tracks

参考:https://fass.nus.edu.sg/industry-tracks-fass-2-0/

これは2019年に発足された、FASS学部生の就職に向けたスキルを養成するプログラムになります。

Public Administration行政
Communications, Advertising and Mediaメディア、広告
Banking and Finance金融
Society, Community and Health公共政策
Arts, Culture, Entertainment and Heritage芸術、文化、娯楽、遺産

以上の5つの分野から興味のあるものを選び、その分野で特に必要とされるスキルを座学のみならずインターンシップなどを通して身につけていきます。

まとめ

College of Humanities and Sciences ができたことにより、人文社会学の道に進みたい学生でも理学の分野を、理学の道に進みたい学生でも人文社会学の分野を学びやすくなりました。

一つの分野に偏らせず、広く勉強させようという姿勢はいかにもNUSらしいですね。

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