こんにちは。NiSCのYohです。
この記事では私が専攻している工学部の化学工学科について紹介していきます。
得られる知識・スキルセット
何を学ぶのか?どのような知識・スキルを得られるのか?
化学工学(ケミカル・エンジニアリング)では、化学プラントの設備や活用されている技術について学んでいきます。
化学プラントと一言に言っても、さまざまな種類があります。
・ 石油化学ガスプラント(Oil & Gas)
・ 化学工業プラント(Chemicals)
・ 半導体プラント(Semicon)
・ 製薬プラント(Pharma)
・ 食品プラント(F&B) など
ですので、化学工学科を卒業した進路も、分野は多岐に渡ります。
ちなみに、化学工学科は、私自身も驚いたのですが、なかなか人気高いの学科です。
工学部では、機械工学に続いて、2番目に学生数の多い学科になっていて、同じ学年に300人ほどの学科生がいますよ。
なので、チュートリアルや実験のグループでは、毎回さまざまな学生と仲良くなれるチャンスがあります。
刺激もたっぷりで、しっかりと化学工学に浸かれる良い学生と教授の環境が、NUSの化学工学科にはあるのです。
カリキュラム
どのようなステップで進学する?
そんな化学工学では、典型的な基礎そして応用を学ぶというカリキュラムになります。
まず、一年生と二年生では座学をメインに基礎を学んでいきます。
基礎として、Mass BalanceやEnergy Balanceなどのバランスの公式や、熱力学と流体力学などの物理の基礎を学習します。
ここでは、ほとんどが物理学であって、数学がたまにでてくる程度です。なので、化学工学という名前ですが、化学を学んでいくというわけではありません。
三年生以降には、ラボでの研究も増えていきます。座学で学んだことを実際に見ることができるので、より楽しいと感じる学生は多いようです。
また、三年生では、工学部共通ですが 6ヶ月のインターンシップ(Industrial Attachment)をこなす必要があります。
なので、実際に働く機会を得つつ、どんな分野に進みたいのか、しっかりと考え始める機会になるはずです。
そして、いよいよ卒業後の進路・分野を定めて、より専門的な学習を進めていくのも、四年生のころになりますよ。
授業スタイル(評価基準)
どのような授業がある?成績の構成は?
化学工学科の授業スタイルとしては、講義+チュートリアルが主になります。
講義では、全員が一斉に教科書に従った基礎的な知識をしっかり学んで、20人ほどのチュートリアルでは演習問題を解いて理解を深めていきます。
また、モジュールによっては、宿題があったりと、かなり高校にも近い形での授業スタイルになっています。
一つ違うことといえば、予習と復習がないと何も理解できないほど、速いペースで進んでいくことです。
教授によって差はありますが、毎週学生たちがいままでの学習内容をすべて理解しているベースを元に教えていくので、一度つまずいてしまうと、なかなか立ち直りにくいのです。
他にも、実験ベースの授業も三年生以降は特に増えていきます。
これらでは、あらかじめ読んでおいた実験の進め方に基づいて、実験を行って、レポートを書くという授業になります。
ラボでの実験は長いもので5時間にのぼり、レポートも数十ページ書いてくるなどと、かなり労力もかかります。
ただ、その分、実験はやはり座学とは違い、直接手で触れて学べるので、学生にも評判の高いモジュールになっていますよ。
卒業生の進路
学部生に人気の就職先・業種は?
学部生に人気の就職先は、次のような企業があります。
・ DSTA(シンガポールの防衛科学技術庁)
・ Keppel Infrastructure(インフラ企業)
・ Global Foundries(半導体大手)
・ ExxonMobil(石油化学大手)
・ MSD Pharma(製薬会社) など
すでに紹介したように、どれもさまざまな分野の企業になります。
なので、興味のある分野に進んでいくことができるのが化学工学科の強みです。
ただ、一つの業界に入ってしまうと、他の業界に転職したい際に、一から学習することになります。
なので、化学エンジニアにとって、業界外での転職がしたいとなっても、なかなか難しいところがありますよ。
学部内の学科生のイメージ
学部内からの学科生のイメージは、良くも悪くも地味です。
学生数が多いので、認識はしてもらっているのですが、あまり興味を持っていない印象になります。
また、良くある勘違いとしては、化学(Chemistry)を学んでいるということです。
すでに紹介した通り、化学を学ぶわけではないので、そこは工学部生からも不思議がられるポイントですね。
長くなってしまいましたが、以上が NUS の化学工学科の紹介になります。
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