今回の記事では、日本の一般的な高校から NUS を受験する場合のプロセスについて解説していきます。
結論からいえば、他の海外大学(アメリカ、オーストラリア、など)に出願する時と共通している点が多く、そちらへの出願を考えている、もしくは既に進めている学生さんなら聞き慣れた話が多いかと思います。
ではいきます。
おおまかな流れ
日本の一般的な高校からの出願の場合、こちらのページの一番下【International Applicants】のカテゴリーになります。
そちらによると例えば2021年度の入学を考えているなら、出願の締め切りは2021年2月末で(追加の書類を提出するために一週間の猶予あり)、結果は5月中旬から7月末の間に発表されます。
出願のプロセスは全てオンラインででき、受付が始まると出願用の窓口で自分のアカウントを作り、名前や出身校などの基本情報に加えて高校の成績や活動などについて説明を書いていきます。
出願の際必要となる書類についてはこちらのページに詳しく書かれています。
まとめると、
1.High School Graduation Certificate(高校の卒業証書)
2.High School Transcript(高校の成績証明書)
3.ACT with Writing or SAT Score
4.SAT Subject Tests Score
これからそれぞれについて解説していきます。また必須ではないのですが提出すれば評価してくれるものや、出願プロセスについて軽い補足などもあるのでそれらはまとめて一番下の「その他」のカテゴリーで解説します。
High School Graduation Certificate & Transcript
高校の卒業証明書と成績証明書は手に入れること自体はさほど難しくないと思いますが、全て日本語で書かれている場合は英語に翻訳したものも提出するといいでしょう。筆者が出願をした際は英語科の先生にお願いして翻訳して頂きました。
また、NUSのウェブサイトにはこのような補足が書かれています。
You are required to submit your latest high school results, an explanation of your high school grading system as well as either ACT with Writing or SAT, together with SAT Subject Tests by the application closing date.
つまり、出身校がどのように生徒を評価をしているかの解説も付け加えないといけません。
これも筆者は英語科の先生にお願いして書いて頂きました。ただあくまで補足なので1段落程度を目安にすると良いでしょう。
ACT with Writing, SAT
平たくいうと ACT と SAT は海外版センター試験です。英語を主言語にしている大学であればほとんどはこの二つのどちらかを提出するように言われます。
対策本も広く出回っていて、筆者は SAT の方は College Board が出版している対策本を、ACT については The Offical ACT Prep Guide を使っていました。(筆者は両方受験して、成績の良い方を提出するつもりでいました)
ちなみにこれはあくまで筆者の個人的な感想なのですが、やっぱり対策は大事です。あらかじめ問題の形式を知っておくと当日パニックになることはありませんし、どうすれば問題が解きやすくなるのかが見えてきます。例えば文章を読むときに大事な箇所に下線を引いたり、先に問題を読んでから文章を読んだり、やり方は人それぞれなのですが自分流の解き方を見つけるには対策と練習は欠かせません。
これは次の SAT Subject にも共通して言えることでしょう。
SAT Subject
ACT, SAT は英語力が試されているのに対し、SAT Subjectは科目ごとの知識が試されます。受験できる科目は本当に多岐にわたり、NUS では学部ごとに受験を勧められる科目が異なります。なのでこれは出願したい学部のウェブサイトを見たり、メールで聞いたりして把握するのがいいでしょう。
筆者は工学部に出願する際、Mathematics Level 2, Physics, Chemistry を受験しました。(高校でも物理と化学を履修していたので都合が良かったです。)
SAT Subjectを受けた感想としては、問題そのものは凄く難しい訳ではないのですが、日本の高校範囲に含まれないことも SAT Subject の範囲に入っていました。なのでこれは自分で勉強しないといけませんでした。
そこで筆者が使ったのは「Khan Academy」というオンラインで無料で授業を受けられるプラットホームでした。解説も丁寧で、何より自分のペースで進められるのが一番の利点でした。Khan Academyで動画を観た後、College Board の対策本を解く、という流れでした。
あとは当日落ち着いて問題を読めば、特に大きくつまずくことはないと思います。
その他
これまで述べたもの以外にも評価してくれるものがあります。
一つはこのページにある通り【Outstanding Achievements】です。
そこの説明によると学業以外での活動があれば、それも評価してくれます。ただこうも書かれています。
You must have attained a very high level of achievement or leadership positions in activities. Examples of such achievements include International Science Olympiad medals, top national awards, national team sportsmen and exceptional rank in top university entrance examinations (e.g. IIT/AIEEE rankings, etc).
Participation in activities and achievements at intra school, house or class level (e.g. best student, most courteous, science/arts/cultural projects, etc) do not, usually, have a strong bearing on the outcome of your application.
つまり学内に留まらず全国的に結果を残していないと出願結果にはあまり影響がない、ということです。
学内の活動、例えば部活動や生徒会などの経験があればそれを出願の際に付け加えても決してマイナスには働きませんが、プラスに働くことは少ないと考えた方がいいかもしれません。
筆者も中高とバレーボール部に所属していたのですが、弱小チームだったので大した結果は残さなかったのですがとりあえず書いていました。
これらの活動経験は Personal Statement というエッセイの中で説明できます。筆者が出願した際(2019年2月)は 2000 characters と制限があり、これは大体 3 paragraphs なのであまり長々と書く余裕はありませんでした。ただシンプルに活動ごとに軽い説明と何を学んだかを二行~三行書いていました。なのでおそらくですがアメリカへの出願ほど苦労をしなくても良いと思います。
また最後の補足として、出願する時は自分の入りたい学部・学科を希望順に並べることができます。筆者が出願した時は8個まで並べることができました。
大学側はこの順番の通りに合格に値するか見ていくので、素直に興味のある学科を一番上に持ってくるのがいいでしょう。
長くなりましたが、以上が日本の一般的な高校からの出願プロセスの解説になります。何か質問がございましたらこの記事にコメントを残したり、NiSC のメールアドレスにメールを送ったりしてみて下さい。
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